【解説】台湾“大地震”発生のメカニズム  日本の地震活動に影響は…
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3日午前9時前、台湾付近を震源とするマグニチュード7.7の地震が発生し、台湾で大きな被害が出ています。沖縄にも津波が押し寄せるなどした今回の地震はどんなメカニズムなのか、社会部・災害担当の中濱弘道デスクが解説します。

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■地震が多いエリアの台湾…大地震は過去にも

鈴江奈々キャスター
「沖縄では最大震度4ということでそれほど大きな揺れはなかったんですが、一方で台湾では大きな揺れがありました。どんな場所だったんでしょうか?」

中濱弘道 社会部・災害担当デスク
「今回、地震がありました震源は台湾の東部になります。衛星写真の地図をみると、フィリピン海プレートという、地震を起こすプレートの沈み込みの場所があります。これがちょうど台湾の東側のあたりにも沈み込んでいる、そういった場所です。台湾の東側からフィリピン海プレートが沈み込んでいまして、これが跳ね上がることによって地震が起こることもありますし、台湾の内陸部というのは、いわゆる地震を引き起こす『活断層』というのが、かなりあるんですね。そういったことでも地震が起きる、地震の多いエリアなんです」

鈴江キャスター
「過去にも大きな地震がたびたび起きていたということなんですよね?」

中濱デスク
「台湾で起きた過去の主な地震ですが、1999年9月21日にマグニチュード7.7という大きな地震がありました。そのすぐ5日後の1999年9月26日にもマグニチュード6.6の地震が起きています。これは内陸型の地震なんですが、台湾の内陸部で起きた地震がありました。最近では、2022年9月18日にマグニチュード7.3という大地震が起きていて、繰り返し地震が起きている場所です」
「1999年9月21日に台湾中部で発生した地震は、9月21日に発生したということで『921地震』とも呼ばれています。マグニチュードは7.7ということで建物の倒壊もかなりひどかったのですが、この地震では死者2400人以上、負傷者は8700人以上ということで大きな被害を起こした地震でした」

■日本の地震活動への影響は

鈴江キャスター
「たびたび地震が起きているということですが、今回の地震のメカニズムというのはわかっているんでしょうか?」

中濱デスク
「今も気象庁や専門家などが調べているんですが、震源は台湾の東部、東側のエリアということでフィリピン海プレートが沈み込んでいるような場所です。今回の地震の波形とか、実際に津波が起きていますので、そういったことなどからこのフィリピン海プレート、いわゆる海のプレートが跳ね上がったというかですね、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界付近で起きた地震ではないかというふうにみられています」

桐谷美玲キャスター
「台湾の被害が大きくて本当に心配ですが、この地震は今後、日本の地震活動にも影響するのでしょうか?」

中濱デスク
「フィリピン海プレートというのは台湾でも地震を起こすんですが、日本の方にも伸びています。日本の本州の南側に沈み込んでいるのもフィリピン海プレートです。フィリピン海プレートはつながっているのではないかと心配する声もあるんですが、今回(地震が)起きたのが台湾ということで、日本のフィリピン海プレートが沈み込むような場所とはちょっと距離が離れています。ただこのフィリピン海プレートというのは、いずれは南海トラフ巨大地震を起こすといわれているプレートですので、やはりこれはこれで地震対策というのはしっかり続けなきゃいけないと思います」

■津波の高さ…なぜ予想より下回った?

鈴江キャスター
「2日は青森でも震度5弱がありましたし、先月も福島や栃木でもありましたので、そういった日本国内での地震も起きていますので、改めてそういった備えというのは常にみなさんにしていただきたいですね」

中濱デスク
「そうですね。今回マグニチュード7を超える大地震となりまして、震源の深さが20キロ少しということで比較的浅い地震です。比較的浅い地震というのはその後の地震活動も活発になるので、その後も地震はだいぶ起きているようだと現地の報道では聞いています。大地震の後というのは、同じ場所で同じ規模の大きな地震が続くということもあります」
「そして台湾と与那国島というのは110キロくらいの距離が離れている場所です。今回、日本では震度3、4という揺れということで、この地震のクラスで津波が来るというのはあまり思わないと思います。でも実際に津波が来ました。そして津波警報も出ました。気象庁が台湾の近くで大きな地震があれば発表する可能性というのは十分にあります。なので、急に津波情報が出たときには避難ができるように、対応できるように避難場所の確認であったり避難ルートの確認、そういったことを続ける必要があると思います」

鈴江キャスター
「沖縄の中継でもありましたけれども、それほど警戒感がなかったという温度感もありました。ただ、この後も台湾付近では地震活動が活発ということで、地震が起きる場所によってはまた大きな津波が来るかもしれないということですよね」

中濱デスク
「そうですね、発生する可能性は十分にあると思います」

鈴江キャスター
「当初は津波の予想の高さが3メートルでしたけれども、津波の観測された高さというのはそれほどでもなかったですよね?」

中濱デスク
「そうですね、実際に観測された津波の高さは与那国島で0.3メートル、宮古島で0.3メートル、石垣島で0.2メートルでした。気象庁は当初3メートルの津波警報を出していたんですが、やはり津波の高さとかがわかってきて、さらに地震の規模を精査したということで、これ以上津波は高くならないのではないかということで、津波注意報にグレードを落として、さらに注意報を解除することになったのですが、今回いろいろ取材を進めると、震源が台湾の海岸付近だったということですが、地震で断層が破壊されますよね、それが海側よりも、もしかしたら陸側の方に広く破壊が進んだので津波を大きく起こさずにすんだのではないかというようなことを話している専門家もいます」

鈴江キャスター
「まだ地震活動も活発ということですので、地震、そして揺れが起きる場所では津波が発生する恐れもありますので引き続き十分注意が必要です」
(2024年4月3日放送「news every.」より)

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2024年4月4日 コミュニティ投稿

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