【緊急地震速報の新指標に】震度3でも大揺れも・・・長周期地震動
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突然襲ってくる地震。巨大地震では、
その被害の大きさも、より深刻となります。
これは2011年、東日本大震災発生時に
東京・新宿で撮影された映像です。
高層ビルが左右に大きく揺れています。
その直後、東京都内にある
別のビルの2階と24階で撮影された写真です。
同じビルでも低層階と高層階では、被害には明らかな差が・・・
高層階では実際にどれくらい揺れるのでしょう?

「東日本大震災での東京・新宿の高層ビルの揺れをいまから体験します」
腰をバーにつけていないと立っていられない。
 ~自然と体も前屈みの姿勢になります。
 ~大きく回転する動きが入ってきました、
これは危ない。
 ~これがビルの中で起こると考えるととても怖いです。

普通の地震とは明らかに違う大きな横揺れ。
この揺れの正体とは・・・気象庁の担当者に聞きました。
気象庁・古謝調査官
「長い、ゆらゆらと船に乗っているような、ゆっくりとした揺れが続くことがあります。ゆっくりとした大きな揺れのことを長周期地震動といいます」
「高層ビルの高層階では揺れが大きくなって、人は立っていることができなくて、揺れに翻弄されてしまうと、はわないと移動できない。家具が大きく移動したり、転倒したりすることがあります。
大きな地震で発生する「長周期地震動」。
これが、特に高層ビルなどを『より大きく揺らす』ことがわかってきました。
「周期」とは揺れが1往復するのにかかる時間のこと。
これは地面の揺れの周期と、
建物の揺れとの関係を再現した動画です。
地面の揺れの周期を長くすると…
高層ビルの高いところでは揺れが次第に大きくなるのがわかります。
揺れの周期が長い長周期地震動は、
高いところほど大きく揺らす性質があるのです。
さらに。
東日本大震災では震度3だった
大阪市住之江区の大阪府庁咲洲(さきしま)庁舎でも、
10分もの間、大きく揺れ続け、エレベーターの閉じ込めや、
防火扉が破損するなどの被害が起きました。
三陸沖の震源から700キロ以上離れていたにもかかわらず
なぜこんなに大きく揺れたのか?
地震工学の専門家は…
名大・福和名誉教授
「ゆったりした長周期の揺れは遠くまで伝わりやすいから。大阪という場所はすごく軟らかい地盤が堆積しているので周期の長い揺れをとても大きくしやすい。」
「地面の揺れやすい周期と建物の揺れやすい周期が一致するとものすごく揺れるんです。」
大きな地震が起きると、
短いものから長いものまで様々な周期の揺れが発生します。
   「長周期地震動」を引き起こす長い周期の揺れは
遠くまで伝わりやすい特徴があります。
  また、建物によって
揺れやすい周期がそれぞれ異なり、
  地面を揺らす周期と建物の周期が一致すると、
            揺れがさらに大きくなります。
  咲洲庁舎では、これらの条件が重なり、
       被害が出るほどの揺れに襲われたのです。

「よく長周期の揺れはゆったりした揺れって言いますよね。違うんです。ものすごいスピードな「しかも円を描くと思うと。色々なものが移動しますね。机も固定してなければ机ごと移動するわけです」
「(物が)転がるんじゃなくて走り回ります。ものすごいスピードでガンってぶつかります」

高層マンションやオフィスで地震が発生したとき、私たちが身を守るために、できることとは?

「まずは、揺れが強くなるということを予めちゃんと知っておくことです。それから、そのときに慌てないこと。それからものが移動したり、倒れたりしないように準備をしておくこと。そう
すれば、とにかく身の安全は確保できますから」

大きな地震で高層ビルを大きく揺らす「長周期地震動」。
その相手を知り、備えることが、命を守るカギとなります。

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